2月25日のYouTubeライブ「プレカリアートユニオンの社内通報窓口」では、「これって本当にパワハラですか?&パワハラとまでは言えなくてもできることはある!」をテーマに配信を行いました。

プレカリアートユニオンの社内通報窓口 【2026年2月25日16時】これって本当にパワハラですか?&パワハラとまでは言えなくてもできることはある! 

 今回は、組合員でイオンの店舗でパートタイマーとして働く石橋昌子さんをゲストに迎え、春闘の話題にも触れながら、パワーハラスメントをめぐる誤解と、職場で実際に起きている問題への向き合い方について率直に語りました。
 「これはパワハラですか?」
 相談現場で最も多い問いかけの一つです。しかし、白か黒かの判断だけでは、職場の問題は解決しません。今回の配信は、その「間」に焦点を当てた内容となりました。

■ 春闘は「賃上げだけ」ではない
 配信冒頭では、春闘の話題が出ました。春闘とは「春季生活闘争」の略で、春にまとめて賃金や労働条件の改善を求める取り組みです。しかし、プレカリアートユニオンが属する全国ユニオンの春闘は、単なる賃上げ要求にとどまりません。
 「給料を上げてほしい」だけではなく、
 ・ハラスメントの防止
 ・安全配慮義務の徹底
 ・働きやすい環境づくり
 ・不合理な人事運用の是正
 こうした要求も春闘の中で掲げられます。
 石橋さんは、賃金が上がっても職場環境が悪ければ意味がないと語りました。いくら給料が良くても、毎日嫌な思いをしながら働く職場では、生活の質は上がりません。春闘は、職場環境を含めて改善を求める機会でもあります。

■ 「私が嫌だと思ったらパワハラ」ではない
 今回の中心テーマはパワーハラスメントです。
 よくある誤解として、「自分が嫌だと感じたらパワハラだ」という理解があります。しかし、法律上のパワハラには定義があります。優越的な関係を背景に、業務の適正な範囲を超え、就業環境を害する言動であることが必要です。

厚生労働省 あかるい職場応援団「ハラスメント基本情報」ハラスメントの定義
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/definition/about

 配信では、「私が嫌だと思ったからパワハラ」という単純な話ではないことが確認されました。一方で、「パワハラと認定されなければ何もできない」というわけでもありません。
 この二つの誤解が、問題解決を難しくしているのです。

■ 仕事を与えないことはパワハラか
 配信では、パワハラの6類型の一つである「過少な要求」についても言及がありました。
 例えば、本来与えられるべき仕事を与えず、他の人が忙しく働いている中で特定の人だけ何もさせない。あるいは、明らかに能力や経験に見合わない単純作業だけを繰り返させる。こうした場合は、パワハラに該当する可能性があります。
 しかし、「自分はもっとやりがいのある仕事がしたい」「新人の方が仕事を任されている」といったケースは、必ずしもパワハラとは限りません。そこは会社の経営判断や人事判断の領域でもあります。
 この線引きが非常に難しいのです。
 配信では、極端な嫌がらせとしての業務外しと、経営判断による配置の違いを丁寧に説明しました。

■ 「部下から上司」でもパワハラは成立する
 もう一つの誤解として、「上司から部下でなければパワハラにならない」という思い込みがあります。
 しかし、パワハラは必ずしも形式的な上下関係だけで決まるものではありません。実質的な優越的関係があれば成立します。職場の人間関係や立場によっては、部下から上司への言動が問題となる場合もあります。
 石橋さんは、職場ではさまざまな力関係が絡み合っていると語りました。単純な上下関係では整理できない現実があります。

■ 会社の「調査」は十分か
 配信では、団体交渉の場面でのハラスメント調査のあり方にも触れられました。
 会社が「調査しました」と言っても、実際には加害者とされる人物にだけ聞き取りを行い、目撃者や他の関係者への確認をしていないケースもあります。
 「誰が、いつ、どのように調査したのか」
 ここを確認することが重要です。
 形式的な調査ではなく、実質的に事実を把握しようとする姿勢があるかどうかが問われます。

■ パワハラとまでは言えなくても、できることはある
 今回の配信タイトルにもある通り、「パワハラとまでは言えなくてもできることはある」という点が強調されました。
 職場で嫌な思いをしている場合、それが直ちに法律上のパワハラに該当しなくても、改善を求めることは可能です。
 例えば、
 ・業務の配分についての話し合い
 ・評価基準の明確化
 ・配置転換の検討
 ・安全配慮義務に基づく環境改善
 これらは団体交渉の議題になり得ます。
 「パワハラと認定されなければ何もできない」という発想は、行動を止めてしまいます。大切なのは、どういう状態を目指すのかを整理することです。

■ 石橋さんの経験と春闘要求
 石橋さんは、春闘に向けて要求をまとめる中で、ハラスメントの問題をどう扱うかを悩んでいると語りました。
 賃金や手当だけでなく、
 ・安心して働ける環境
 ・話し合いの場の確保
 ・不利益な扱いの是正
 こうした点も要求として掲げたいという思いが共有されました。
 春闘は単なる儀式ではありません。会社に対して「今の職場はどうなっているのか」を問い直す機会です。

■ 笑いの中にある真剣さ
 今回の配信では、途中でお菓子の話題が出るなど、終始和やかな雰囲気もありました。しかし、話題がハラスメントに及ぶと空気は一変します。
 職場で深刻な問題が起きている現実を前に、どうしても真剣になります。軽いノリで語れる問題ではありません。
 だからこそ、見ている方にも構えずに入ってきてもらえるよう、少しくだけたやり取りも交えながら、本質的な話をしているのがこの番組の特徴です。

■ 「これはパワハラですか?」と迷っている人へ
 今回の配信で一貫していたメッセージは、「迷っている段階で相談してほしい」ということでした。
 パワハラかどうかの判断を一人で抱え込む必要はありません。
 法律上どう評価されるか。
 会社にどう伝えるか。
 団体交渉で何を求めるか。
 一緒に整理することができます。
 パワハラとまでは言えない場合でも、改善を求める余地はあります。

■ ぜひアーカイブをご視聴ください
 今回の配信は、
 ・パワハラの定義を整理したい方
 ・職場の違和感をどう扱えばいいか悩んでいる方
 ・春闘で何を要求すればよいか考えている方
 にとってヒントの多い内容です。
 「これはパワハラですか?」
 その問いに、即答ではなく、丁寧に向き合う時間となりました。
 ぜひアーカイブをご視聴ください。
 そして、正式な労働相談はコメント欄ではなく、LINE労働相談へお寄せください。